2010年12月22日水曜日
『脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒント 』──リファレンスがよい
2010年10月26日火曜日
『荒地』──やっと出た、より作者の意図に近い翻訳
2010年10月19日火曜日
『シングルマン』──芸術に必要な自己批判がない
2010年10月14日木曜日
『だから、新書を読みなさい』──フォーマットでくくってしまうには無理がある
2010年10月13日水曜日
『ナイト&デイ』──「普通の女」の時代
『上杉隆の40字で答えなさい』──真のジャーナリスト
2010年10月7日木曜日
内田樹『街場のメディア論』──メディアの寵児、メディアを叱る(笑)?
2010年10月2日土曜日
『十三人の刺客』分析
残虐城主に付き、彼を守り通している側近の、市村正親は、主人の行いをよかれと思っているわけではない。ときには、諌めてもみせる。しかし、武士とは主君に忠誠をつくすこと、が、市村の生のポリシーである以上、文字通り死ぬまで(笑)主人を支え続け、昔馴染みですらある、反逆者、役所広司と対立する。
『十三人……』では、赤穂浪士のように、城主を討つことはそれほど極秘ではない。すでに市村は知っている。集められた刺客のメンバーもわかっている。秘密なのは、そういう動きではなく。「作戦」である。ゆえに、これは、「真珠湾攻撃」ではなく、堂々たる戦争である。また、革命でもある。
作中、各所で、サムライとはなにかが問われる。市村は古いタイプの、というか、杓子定規にしか、サムライを考えられないタイプである。一方役所は、主人につくすと、いう忠義を、もっと人間的なものにつくすという、広義の、そして、高次のレベルへと考え抜いていく──。
それを、CGを駆使することもいとわず、一大エンターテインメントとして表現したところに、本作のすばらしさがある。
2010年9月29日水曜日
『十三人の刺客』──世界に出せる脱構築時代劇エンターテインメント
紋切り型の時代劇から完全に脱し、あらたな時代劇エンターテインメント像を作り上げている。しかし、ディテールや台詞回しはむしろていねいかつ地味に積み重ねられている。
2010年9月27日月曜日
私の政治観
自民党にも「リベラルな」若手議員はいるが、もういわゆる「土建屋政治」にはうんざりである。民主党内でも、それをひきずっているのが、小沢派と思われる。
今度の尖閣諸島事件を巡っての中国側に対応する意見として、鳩山由起夫前首相が、「私なら、中国側とうまく話し合うことができた」と言っているそうだが、もしそう思うなら、他人事のように言わずに、そういう地位になくても、なんとか手を貸すべきではないのか? だいたい、鳩山由起夫氏は、小沢一郎が嫌いだったはずである(笑)。しかし、今は、小沢側に寄り添っている。それで思い出すのは、「政敵の」(?)弟、鳩山邦夫氏が、「兄は態度をころころ変える」と、書籍だったか、週刊誌だかで話していたことを思い出す。そのときは、鳩山由紀夫支持だったので、弟のひがみぐらいにしか思っていなかったが、今になると、その言葉をしばしば思い出す。
もともと、尖閣諸島が中国に属していたという、歴史的事実は一度もないらしい。中国が自国の領土であると主張している根拠は、尖閣諸島が台湾のものである→台湾は自国に一地方→ゆえに、自国のもの、という論理らしい。それも、その付近の海底に、天然資源が埋蔵されていることがわかる以前は、なんら主張はしていなかったらしい。こういう動きは、クェートへ侵攻した、サダム・フセイン政権当時のイラクを思わせる。
そういうむちゃくちゃな論理を振り回す政権(国とは言うまい。何億もの国民を、すべて「悪」として、憎むのはよくない)に対しては、やはり、岡田克也幹事長の、「中国は大きく自らの利益を損なった。世界に中国がどういう国かを発信した」という態度は正しいと思う。
それにしても、Twitterの、9月14日午前10付けの。ケータイから(笑)の「つぶやき」で、鳩山由紀夫氏が、「代表選挙の応援団を見ていると、官僚出身、元アナウンサー、政経塾出身、弁護士は菅総理側が多いように思う。一方の小沢元幹事長側には一匹狼的な議員が多い。偶然だろうか。私には覚悟の差のような気がしてならない」などと、書いていたが、これは、論理的にどうなんでしょう? と思わざるを得ない。「官僚出身や元アナウンサーや政経塾出身や弁護士」であることと、「一匹狼であること」は、矛盾しないし、「覚悟がない」ということにもならない。こういうのは、ただのイメージである。これに反論するには、「 『スポーツ選手や議員の経験が初めての女性たち』なら、山積みする難題を裁いていけるのでしょうか?」である。いかにもキャリアが悪いように言ってるが、そのキャリアを積み上げるには、それなりの努力もいったのではないでしょうか。
いわゆる「小沢派」の新人議員の多くは、小沢氏の言うなりになりそうな人々である。小沢一郎に期待している人々は、強い政治家、腹芸が得意な政治家、ダーティー・ヒーローが、なにか一発で胸の空くように、難題(経済も政治も)を解決してくれると信じているのである。絶対王政ではあるまいに、ひとりの指導者でなんとかできる世の中ではない。だいたい、政治家はサービス業ではない。なにかしてくれるのを待つのではなく、自らもなにができるか、考えるべきだろう。私は、草の根運動から出た人が首相なる世の中は、黒人が大統領になる世の中と同じように、やっと実現されたと思っている。
管伸子夫人ではないが、「恐竜の時代は終わらせてもらいたい」。
2010年9月21日火曜日
『恋』──日本の長編にありがちな枚数稼ぎの「情痴小説」
2010年9月14日火曜日
『悪人』──地獄のない地獄
というのも、リアルとは、その人にしか持ち得ない、その人の肉体でしか説明できないなにかであるからだ。
ここにあるのは、ただの風俗である。それも、風俗という名の抽象でしかない。それにかろうじて実態を与えているのは、俳優、樹木希林の存在である。この人は、いかなる抽象をも拒む肉体を持っている。それは俳優としての資質である。この人のように、まず抽象を拒むことから作品というのは始まるのである。
深津絵里が、カナダの映画祭で賞をとったそうであるが、やはり抽象であることに変わりはない(むしろ賞は、樹木希林に与えられるべきであったであろう)。こういう実態のない人物を演じていて気持ち悪くならないのだろうか?
だいたいが、原作の吉田修一自体が、そういう「典型としての風俗」を描く作家である。ここには、車谷長吉が達したような「地獄」は見あたらず、どんな事件が起きても人は心を動かされない。
2010年9月10日金曜日
『脳がヨロコブ生き方』──好奇心こそ宝
2010年9月7日火曜日
『読んでいない本について堂々と語る方法』──しかし本書だけは読了してしまう(苦笑)魅惑の書
『読んでいない本について堂々と語る方法』(ピエール・バイヤール著 大浦康介訳 筑摩書房 2008年刊)
題名を見て、正直なハナシ、「そんな方法があれば……」と、「ワラにもすがる思いで」(笑)、本書を手に取った人も多いのではないか。なにを隠そう、私もその1人である。本の体裁を見ればわかるとおり、本書は、「実用書」ではない。れっきとしたテクスト論書である(ポストモダン系)。それも、著者の専門である、精神分析理論をもとに「論じている」。
しかし考えてみれば、精神分析は、読書体験を論じるのに、かっこうの手法である。本書の読者は、あの、きわめてあいまいな、読書という体験を、すっきりと分析してもらえ、しかも、「そうか、これからも、しゃかりきになって読む必要はないんだ」と元気づけられる。そのうえ、矛盾するが、どんな難解な本にも挑戦してみようという勇気も与えられる。
「読まない本について堂々と語っている」人たちの例が、巷のハウ・ツー本のような、そのへんのオジサン、オバサンではない。ポール・ヴァレリーだったり、モンテーニュだったりする。そうか、あの偉人も、そうであったか……。
世のビジネス書は、速読だの多読だの、ごくろうなことである。これは、ひとえに、「読書体験」たるものの、認識が浅いからである。
重箱型学者を嗤っているかのような胸のすくような本を書くのは、さすが、フランス人である。しかし、翻訳書であるかぎりは、どんなにすばらしい内容も、訳文ひとつでつまらなくもなる。本書がおもしろいのは、当然ながら、訳がいいからである。
頭がよくなった(実際なっていると思う)ような気分になれて、すいすい読み進めてしまえて、これからは読んでない本についても堂々と語れる……こんな本を「誰にも教えたくない」(笑)と思うのは、どこかのレビュアーさんも書かれていたとおりである。バイヤール+大浦康介訳本は、ほかのも読んでみたくなる。
2010年8月6日金曜日
2010年8月3日火曜日
『ソルト』──マット・デイモンを超えた?
2010年7月24日土曜日
シンデレラは、オバサンだけにしてほしい
http://knowyourmeme.com/memes/jessi-slaughter-you-dun-goofd-the-consquences-will-never-be-the-same
2010年5月23日日曜日
『会計HACKS!』(小山龍介+山田真哉著)
"hacks"とは、「問題をサクッと解決すること」。勉強、仕事、整理、時間……いろいろな"hacks"があった。とくに、小山龍介氏に注目しているが、ときに、氏自身が著者として名前を連ねていない本も、なんとかhacksと銘打たれていて、それらの本は、小山氏が関わっている本に比べて、キレ方が鈍いようにも思う。"hacks"シリーズが市民権を得てしまったので、各出版社は、どうしても、それに便乗してしまった方が「お得」と思っているのだろうか? そのあたりはよくわからない。 とにかく、"hacks"は、今流通している、勉強、仕事、時間についての、さまざまな問題を、それこそ、新しい実用と思想によって、「すっきり」した考え方と方法を提案してきた。効果はともあれ、新しい考え方に触れて、生きることが楽になった。つまり、煩わしい仕事や問題に楽しくおしゃれに取り組めるようになった。 さて、その"hacks"シリーズも、小山氏以外の著者による、「健康hacks」などが出て(小山氏以外の著作だと、氏の思想が十分に発揮されていないようなので、完全にhacksできていない。しかも、hacksは、テーマ選びも大切なのである)、そろそろテーマも頭打ちだろうと思っていたところに、本書が出た。「会計」!しかも、あの、山田真哉氏との共著。なるほど、そのテがあったかとうなり、目次もろくろく見ずにレジに走りました(笑)。 中身は当然、新たなhacks満載に決まっている。「会計」とhacksが結びついたところに、すでに本書の勝利は決まっている。会計がhacksなら、それは、「普通の読者」に関係ある、つまり、「家計」と「節約」について、新たな提案がしてあるに決まっている。ついでに、会計とはなにかも学べる。著者のサイトで、家計簿もダウンロードできる。まさに、お得感いっぱいのhacksであった。 どん欲で飽きっぽい読者は、本書を読み終わらないうちから次なる(小山氏の)hacksを待つ(笑)。
2010年5月16日日曜日
『グリーン・ゾーン』
行わけ詩?
ボルヘスは、詩の内実は、リズムだと言っている。そういうとき、行わけが必要になるんです。自分は、T.S.エリオットから詩を学んでいるんで、日本の詩人のみなさんが、散文がどうこう、行わけがどうこうと、侃々諤々している意味がまったくわかりません。だいたい、この分類は、間違っている、散...
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