2010年5月23日日曜日

『会計HACKS!』(小山龍介+山田真哉著)



 "hacks"とは、「問題をサクッと解決すること」。勉強、仕事、整理、時間……いろいろな"hacks"があった。とくに、小山龍介氏に注目しているが、ときに、氏自身が著者として名前を連ねていない本も、なんとかhacksと銘打たれていて、それらの本は、小山氏が関わっている本に比べて、キレ方が鈍いようにも思う。"hacks"シリーズが市民権を得てしまったので、各出版社は、どうしても、それに便乗してしまった方が「お得」と思っているのだろうか? そのあたりはよくわからない。  とにかく、"hacks"は、今流通している、勉強、仕事、時間についての、さまざまな問題を、それこそ、新しい実用と思想によって、「すっきり」した考え方と方法を提案してきた。効果はともあれ、新しい考え方に触れて、生きることが楽になった。つまり、煩わしい仕事や問題に楽しくおしゃれに取り組めるようになった。  さて、その"hacks"シリーズも、小山氏以外の著者による、「健康hacks」などが出て(小山氏以外の著作だと、氏の思想が十分に発揮されていないようなので、完全にhacksできていない。しかも、hacksは、テーマ選びも大切なのである)、そろそろテーマも頭打ちだろうと思っていたところに、本書が出た。「会計」!しかも、あの、山田真哉氏との共著。なるほど、そのテがあったかとうなり、目次もろくろく見ずにレジに走りました(笑)。  中身は当然、新たなhacks満載に決まっている。「会計」とhacksが結びついたところに、すでに本書の勝利は決まっている。会計がhacksなら、それは、「普通の読者」に関係ある、つまり、「家計」と「節約」について、新たな提案がしてあるに決まっている。ついでに、会計とはなにかも学べる。著者のサイトで、家計簿もダウンロードできる。まさに、お得感いっぱいのhacksであった。    どん欲で飽きっぽい読者は、本書を読み終わらないうちから次なる(小山氏の)hacksを待つ(笑)。

*******  「けふのお写真」は、家人の釜山みやげ、チマチョゴリの「ぷー子」ちゃんと。




2010年5月16日日曜日

『グリーン・ゾーン』

 映像がブレていたという評者がいらっしゃいましたが、ハンドカメラで臨場感を狙っているのだから、ブレるのがあたりまえでしょう(笑)。
 しかし、本作は決して「ドキュメンタリー」ではない。「ドキュメンタリー」とは、まったく異なったスタンスで作られている。伝えたいのは、なんらかの「メッセージ」ではない。「結果」が出てから作っても……などという評者もおられましたが(笑)、本作は、べつに、イラクの潔白を描こうとしたのでも、アメリカの悪巧みを描こうとしたのでもない。ただ、「戦場」を、21世紀の戦場を描こうした映画である。

 なんだ、戦争を描いて楽しむのか、けしからん。という意見は間違っている。そういうことを言い出したら、殺人を、レイプを、民族浄化を、エンターテインメント映画として描いたものはすべて「けしからん」ことになる。倫理的に正しい題材だけを選んでいたら、映画はべつの何かになってしまうだろう。

 そもそもの誤解は、エンターテインメントとはなにかということにある。それは、べつに、「あはは、あはは」と笑って観るものという意味ではない。
 フィクションとして人の想像力に訴えるものは、すべてエンターテインメントであり、その作品に対して、お金を払ってもよいと考えられる価値のあるものがエンターテインメントである。

 監督のポール・グリーングラスは、エンターテインメントの内実を、そのようにレベルアップした。彼の意図をよく理解して肉体化したマット・デイモンもしかり。

 本作は、もはや、旧式のアタマでは理解できない新しいエンターテインメントでもある。ほんもののイラク戦争帰還兵を90%起用した作りにも、それは現れている。

 さらに言うなら、そういうエンターテインメントでありながら、人の良心をテーマとして問う哲学にもなっている。

行わけ詩?

ボルヘスは、詩の内実は、リズムだと言っている。そういうとき、行わけが必要になるんです。自分は、T.S.エリオットから詩を学んでいるんで、日本の詩人のみなさんが、散文がどうこう、行わけがどうこうと、侃々諤々している意味がまったくわかりません。だいたい、この分類は、間違っている、散...