2010年12月22日水曜日

『脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒント 』──リファレンスがよい

『脳が変わる考え方もっと自由に生きる54のヒント 』茂木健一郎 ( PHPエディターズグループ 201012月刊)

 もう茂木健一郎の「脳のなんとか……」にも辟易の読者もいるかもしれない。茂木氏に好意的な評価をしている私なども、そのあたりの感覚は否めない。しかし、店頭に新著が並べば、なんとなく手に取ってしまう。目次をぱらぱらとみて、ひとつかふたつ……いや、3つぐらい、「ん?」と思うものがあれば、買ってしまう。

 本書は、講演記録を編集者がまとめ、著者が加筆を経たものである。まあ、忙しい著述家にはありがちなパターンではある。しかし、それゆえに、というか、じかに書いたものより、氏の主張が凝縮されている。有効情報の割合が高い。それに、やはり、行間から滲み出る、著者の人柄のよさにどこか心が暖かくなる。すなわち、自分の持てるものは、あますところなく公開しようという態度である。

 英語、政治、科学、経済……著者はよく勉強し、し続けている。普通、そういうものの、リファレンスは、ネタもととして、あまり公開したくないものだが、著者は惜しみなく公開している。今、日本で、最も良心的な著者と言える。

行わけ詩?

ボルヘスは、詩の内実は、リズムだと言っている。そういうとき、行わけが必要になるんです。自分は、T.S.エリオットから詩を学んでいるんで、日本の詩人のみなさんが、散文がどうこう、行わけがどうこうと、侃々諤々している意味がまったくわかりません。だいたい、この分類は、間違っている、散...